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2025.09.29 - 2025.10.05
吉田祥平
The Neighbors - 隣人


インドネシア・ブキットラワンの森に棲む野生のオランウータンを追いかけ、3ヶ月に一度のペースで、これまでに計10回の撮影を継続してきました。
オランウータンは類人猿の中で唯一群れない動物です。子供と一緒にいるお母さんが10歳になるまで一緒にいますが、それ以外の人間関係というものをあまり持たずにオランウータンは毎日を過ごします。男性は1週間ほど女性と関係を持つと、例外なくどこかへ消えてしまうので父親という存在もいません。
彼らが世界での自分たちの立ち位置を、森という世界の中で触れ合うものたちから学びます。彼らが掴んでおなければいけない木であり、巣を作るために集める葉っぱであり(たべものにもなる)、天から降ってくる雨や毎日上がる太陽です。
雨が降れば、葉っぱの傘を作って体が濡れるのを防ぐ。マンゴーのたくさんなる季節には、たくさん食べて体の脂肪にすることで、木にマンゴーがならない時に備える。体があたたまらないような寒い朝には、もう一眠りすれば良い。オランウータンは環境と対話していていつでも、回答するための答えがあります。
人間は毎日人間と会話をします。言葉が人を繋ぎ、その人の言葉に応える。人は人と会話をし、オランウータンは森と会話をします。

吉田祥平「

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プロフィール:
米国で人類学と写真を学び、修士論文ではジャマイカの農家の暮らしを詩と写真で表現。帰国後、震災支援や通訳、ライター等を経て撮影プロダクションを設立。

2024年8月には初の個展となる「浮遊家族」を東京にて実施。2024年OM-SYSTEM(旧オリンパス)が開催する写真コンテストLimelight
2024で準グランプリを受賞。2025年には第63回富士フィルムフォトコンテストにて審査員特別賞、SONY THE NEW CREATORS
Photo & Movie Awardsにて佳作、国際的な賞であるInternational Photography Awards
(IPA) のProfessional部門、Fine Art Photography Awards(FAPA)、MonoVisions
Awardsではいずれも最終選考に選出。同年に清里フォトアートミュージアムの森山大道氏・細江英公氏などの写真を含む企画展示「写真の森」に参加。