2022.09.19 - 2022.09.25
Emanon
Land of the Gods
神聖な山に立ち入りながらも、美しい秋の日の散策を楽しんでいる。無邪気にそう思っていた。
爽やかな空気、美しい景色、鳥のさえずり・・・
すべてが夢のような旅に思えた。
私たちはなんて愚かだったのか。
私たちのものではない、彼らの領域に入っていくなんて・・・
日が落ちると、彼らはゆっくり、少しずつ現れ始めた。
影は動き、木々はざわめく・・・
知らぬ間にあちらの世界に入り込み、彼らの思うままに、良くてもお客、最悪の場合は侵入者になっているのだ。
山道を進み、鳥居をくぐり、五つの社の神の使者・狐たちと向かい合う間、手の中のカメラが仲介となり、彼らの世界を記録する。
闇は、カメラに不思議なことをさせてしまう。
あれ?もしかして私は間違っていたのか。
そもそも生まれてからずっとあの世界を彼らと共有していたのだろうか。山を降り、ホテルに向かう時、そう思い始めた。
私たちは日々、些細なものに気をとられ、不思議な何かを
見失っているだけなのか。
※展示期間中、作家が在廊いたします。