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2022.02.14 - 2022.02.20
ミーヨン
Truth is One


2018年11月に、インドのバラナシに一か月間滞在した。
バラナシは、ベナレスという名前で知られるが、古くからカシー(Kashi)とよばれ、“Kashi”がサンスクリット語で「輝く」「光る」を意味することから、「光の街 (the City of Light)」といわれている。そして、ヒンドゥー教の宗教的首都とされるバラナシを流れるガンジス川は、インド最大の聖地で、巡礼者があとを絶たない。 
ほぼ毎日、日の出前にガンジス川へと向かう。川の対岸から顔をだす早朝の太陽の光が、川面に輝きはじめる。そして、刻一刻と、川を渡って広がり、水に深く反射するその光は、私たち人間の本性のなかに内在する光を照らし出しているように見え、内なる旅をする巡礼者たちの姿が、とても神聖に感じられた。
巡礼者を意味する英語 “pilgrim”の語源は、ラテン語のぺレグリヌス”peregrinus”で、その原義は通過者、異邦人、放浪者など。私は、日常を離れ、移動し、発見と感謝の目で世界を見る巡礼者たちを、そして、ヒンドゥー教の生き方を毎日忠実に実践するカシーの住人たちを、巡礼する、巡礼者だったように思う。
タイトル、”Truth is One” は、インドの最古の聖典であるリグ・ヴェーダのなかの詩節からの引用で、全体のセンテンスは、Truth is One, sages call it by various names (真理はひとつ、賢者たちはそれをさまざまな名前でよぶ)「 Ekam sat vipraha, bahudha vadanti -RigVeda (1.164.46) 」である。

ミーヨン「

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ミーヨン Mi-Yeon

韓国ソウル生まれ。1988年に渡仏し、パリ写真学校 ICART PHOTOで写真を学ぶ。1991年より東京在住。
主な個展に「I and Thou」(2016年 Anne Clergue Gallery アルル|2016年 Salon du Panthéon パリ|2017年 ギャラリーMuan 長岡)、「Alone Together」(2013年 冬青社 東京|2015年 Space 22 ソウル|2016年 新潟絵屋 新潟)、「よもぎ草子ーあなたはだれですか」(2016年 ギャラリーMuan 長岡|2017年 ルーニィ247 東京)など。フランスの写真フェスティバル Photo Saint-Germain (パリ 2015)、Regards d’ailleurs (ドルー 2017)、Promenades Photographiques (ヴァンドーム 2020)に出展。写真集に『Alone Together』(2014年 kaya books|2017年 Noonbit Publishing co.)、『よもぎ草子ーあなたはだれですか』(2014年 窓社)、ハンドメイドアーティストブックに『I and Thou』(2015年)など。 2015年より長岡造形大学美術工芸学科非常勤講師。

mi-yeon.jp