2020.11.30 - 2020.12.06
ロレンツォ・メンギ
裏道人集
「私の考えでは、 街には表と裏がある。
東京の人々は日々時間に追われていて、電車やタクシーの窓に流れる風景に無関心だ。
歩いている人でも、急ぎ目的地を目指し、街や他人に目を向けずなんども地図の表面に線をなぞるように同じ道を選んで歩いている。
表の道は、明るくて歩きやすく、確実に行きたいところに行けるが、そうしているうちに、 道は歩くための単なるツールになってしまい、 それ以外の意味を持たなくなる。
その反面、地図にも乗らないような裏の道では、道としての実用的な意味が薄れてきた時に、 街の存在を改めて意識させられ、 裏道に秘められた魅力を感じ取れるようになる。
「裏道人集」 は深夜散歩の日々を重ね、 通ってきた裏道で現れたシーンのコレクションです。
この展示を通して、 表の道で日々忙しくしている人には、 静かな東京裏道の魅力を伝えたいと思っています」