2010.11.22-11.28

世界を小説に例えるならば、写真は挿絵のようなものだ。

そう思うときがある。

写真を眺めながら、どこかで見たような光景だと思ったとしても、そこに至る、あるいは繋がっていく世界は人それぞれ。

写真から連想されるものがあるとするならば、各自の空想の中に現れた光景、それこそが「写真」と呼ぶべきものなのかもしれない。

今、私の表現の主は絵画＝美術ですが、其処から写真を思う時此れほど魅惑的で難しい表現は無いと思う日々です。
この度のささやかな写真展は、この数年来プレイスMで展示して来た写真と連動していることは当然として、この度某国でモーツァルとのオベラ「ドン・ジョバンニ」の古風な中にもデモーニッシュの深遠を覗かせ、是ほどの人間存在の寂寞感は無いと思い至らされる演奏に接し、私の「美術」の原動力が「古典」である正解を、より強く認識し、それは、今写真展に多いに反映していると自覚します。