« 前の展示 | 次の展示 »
2011.01.17-01.23
山口保 Yamaguchi Tamotsu
海片
外房にアトリエを持って以来、海浜の撮影に着手した。外房の浜は変化に富み、その後ろに控える穏やかで親和的な丘陵とは違い、異界性に満ちた風景や物たちが散在する、時に静謐な、時に激しい宇宙的なエネルギーを感じ入る場であった。そして徐々に私の関心は岩礁の岩々に収斂されていくことになる
岩礁の岩々の形態は、太古に生成されて以来、地球の止むことのない厖大なエネルギーに大きく干渉され形成され続けているに違いない。いずれにしても、人智の及ばぬ悠久の時間と膨大なエネルギーが創造した、宇宙的な造形であることはまちがいない。その圧倒的な存在感は対峙する私を覚醒させ、千変万化するその形態と質感は私の深層に深く訴えてきたように思う。
山口 保 やまぐち・たもつ
略歴
1948年千葉県生
油絵、オブジェなどの制作経験を経て、1985年頃より写真制作に取り組む。
写真集
1991年 「鏡」出版
2010年「海片」出版
個展
ドイフォトプラザ、宇フォーラム美術館(国立市)、プレイスMなど
ミニギャラリー Mini Gallery
田口昇 Taguchi Noboru
南国万華鏡 - 廻(めぐり)
航空機を降りた瞬間、まとわりつく空気は四季のない地に来たことをおぼえさせる。
旧型のタクシーに体を預け、喧騒あふれる景色をみると自分の心が静かに騒ぐ。
オレンジに色づいた看板、ゴミと積まれる花束、嘘含む笑顔、南国のにおいが
スパイスとなって自分の意識を撮影へ向かわせる。
ファインダから漏れる光を頼りに雑踏を歩き続ける。
田口昇 たぐち・のぼる
1980年 新潟県生まれ
東京在住
個展
2009年8月「南国万華鏡 - 惑 (まどい)」 (Place M)
2009年8月「南国万華鏡 - 誘 (いざない)」 (Place M)
copyright 2008 © Place M