2012.01.23-01.29

女は待つ。これから起こる事。
かび臭い安ホテル
女は誰？誰は私。私は他人。他人は私。
ここから出ていく。出ていかない。
抜けださない事をやめない事。
でも、もう待たない。
ここに、居ない。

正確には「早池峰」と書き、岩手にある山の名前です。
この写真は岩手を中心とした冬の東北の写真で、2010~2011年にかけてカメラと共にローカル線で旅した時のものです。
冬の東北は外を歩くと凍てつくような厳しい寒さなのですが、その寒さがきっぱりしていて好きなので何となく足を踏み入れたくなってしまいます。
そんな冬の東北ですが、時に不思議な表情をみせてくれることがあります。
例えば列車に揺られて白い景色を眺めていると、目の前に突然大きな白く凍った池のような湖が現れることがあるのです。
その時折見せる大きな白い池は何か別世界を示唆しているかのように突然現れ、それを目の当たりにした私は何処か違う世界に迷い込んでしまったかのような錯覚に陥ってしまいます。突然の衝撃を感じながらもその中に同化したくなってしまい、なす術も無く夢中でシャッターを切ってしまう小さな自分がいるのです。
現れては消えるそれらの世界は時空を超えた冬だけの天空景色のようにも見え、山々や木々は私に言葉にならない何かを語りかけてきてくれるのです。
そんな冬だけの雪に築き上げられた世界を総じて“早池峯”としてみました。

雪の、きれいもきたないも､よいもわるいも､凡てのものを白く包み込み、暖かくなるとそっと消え野山に還っていく姿が儚くも力強く潔いのでとても好きなのです。